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大阪高等裁判所 平成11年(ネ)1112号 判決 1999年12月21日

控訴人(原告) X1

控訴人(原告) X2

控訴人(原告) X3

控訴人(原告) X4

控訴人(原告) X5

右五名訴訟代理人弁護士 山下潔

同 森下弘

同 乘井弥生

同 白倉典武

同 山下綾子

同 山下宣

被控訴人(被告) 明治生命保険相互会社

右代表者代表取締役 A

右訴訟代理人弁護士 神山公仁彦

主文

一  本件控訴を棄却する。

二  控訴費用は控訴人らの負担とする。

事実及び理由

第一当事者の求める裁判

一  控訴人ら

1  原判決を取り消す。

2  被控訴人は、控訴人X1、控訴人X4及び控訴人X5に対し、それぞれ七五〇万円及びこれらに対する平成五年一二月一二日から支払済みまで年五分の割合による金員を、控訴人X2及び控訴人X3に対し、それぞれ三七五万円及びこれらに対する平成五年一二月一二日から支払ずみまで年五分の割合による金員をそれぞれ支払え。

3  訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。

二  被控訴人

本件控訴を棄却する。

第二事案の概要

一  本件事案の概要は、次の二項のとおり付け加えるほかは、原判決「事実及び理由」中の「第二 事案の概要」欄に記載のとおりであるから、これを引用する。

ただし、原判決四頁一〇行目の「B」を「B1」に、同一一行目の「昭和五八年に離婚した。」を「昭和四八年に協議離婚したが、その後昭和五〇年に同女と再婚し、昭和五八年再度協議離婚した。」に、同五頁二行目の「B」を「B1」にそれぞれ改める。

二  控訴人らの当審における補充主張(権利濫用の再抗弁)

消滅時効制度の趣旨は、立証上の困難故に債務者が二重弁済を余儀なくされるのを回避することと、権利の上に眠る者を保護しないというところに求められるべきところ、本件において、時間の経過により証拠が散逸したため被控訴人において弁済の事実を立証し得ない場合に当たらないことは明らかであり、また、四郎が保険金請求権を放棄した平成九年二月の時点で三年の消滅時効が経過しているとすると、控訴人らは、権利の上に眠るどころか、権利を手にする機会すら奪われているものというべきであるから、被控訴人の消滅時効の援用は、正義に反し、かつ、消滅時効制度の趣旨にも沿わないものであり、権利の濫用として許されない。

第三争点に対する判断

一  当裁判所も、控訴人らの本件請求は理由がないと判断する。その理由は、原判決「事実及び理由」中の「第三 争点に対する判断」欄に記載のとおりであるから、これを引用する。

ただし、原判決一二頁一行目の「放棄により」の次に「保険金受取人の指定が効力を生じなかったと見なされることにより、保険契約者である」を、同二行目の「根拠は」の次に「明らかで」を、同二行目の「なく、」の次に「右見解は解釈論の限界を越えるものであって、」をそれぞれ加える。

二  よって、控訴人らの本件請求を棄却した原判決は相当であり、本件控訴は理由がないから、これを棄却することとし、控訴費用の負担について民訴法六七条、六一条、六五条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 加藤英継 裁判官 伊東正彦 安達嗣雄)

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